2008/06/25

アアール・ブリュット

アウトサイダーアート(アール・ブリュット)、一般的には美術の教育を受けていない人が、誰からの評価を求める目的も無く作り出された作品ということでしょうか。 以前にも世田谷美術館で鑑賞した事がありましたが、今回は新橋の松下電工汐留ミュージーアムです。 美術教育を受けていない、他人からの評価を目的としていない、、と言われるととてもピュアな人たちの「ただ作品を描きたい」という衝動から生まれた、のびのびした作品たちとイメージしがちですが、、、殆んどの方たちは知的障害者や精神を病んだ方達で、そのせいか、作品に対しては暗いイメージを拭いきれません。 穴の空いた人間ばかりを描く戦争を体験した人の絵。異常に高い筆圧で描かれたの女性の顔。新聞を思わせるような正確なフォントで描かれたポスター。 未だ完結ていない想像を絶する細かな作業の連続。10年以上続けられている、線と曲線だけで表わされた日記。 全ての作品に棘がある粘土細工。工事現場の廃材で作った人形を、兵馬庸のように作り続けている人、、。 「何のために書くのか?」「それは何を表しているのか?」それは本人にしか判りません。 唯一想像できるのは何かを書き残したい、いや、残す事も望まずに、ただ書きたいという衝動があった事。そして成し遂げた時の達成感を喜びと感じているのかもしれません。 いろいろな事を想像してしまう、「誰からの評価を目的としていない作品たち」には、とても惹き付けられます。 しかしながら、作者の中ではアートとは思っていないこれらの作品を、第三者がアートとして一人歩きさせてしまっている事に疑問を感じのはぼくだけでしょうか?、作者にとっても不本意だと思うのですが、、、。

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